ボードウォークの恋人たち
二ノ宮の父もハルの父と同様忙しそうなのに、できる限り食事を共にしたり少しの時間でも妻子に声をかける姿を見て感心したり。
テレビドラマの中で見るような家族が現実に存在するのだと知った。
二ノ宮の家にいるときは暁人と水音と同じように扱われ食器を洗ったり風呂掃除をすることもあった。本当の家族に入れてもらっていたように思っていたのは気のせいではなかったのだ。
「お二人の新婚旅行はノルウェーだったんですか」
「そうなの。白夜ってどんな感じなのかって興味あったし。ノルウェーはついでに行くって国じゃないでしょ。新婚旅行が終わればもうゆっくり休みが取れなくなるだろうってわかってたから余計に遠くに行ってやろうって思たのよね」
「出来るだけ二人でゆっくり過ごせる場所をと考えていたら決まったんだったね」
二ノ宮グループを背負って立つ二ノ宮の父はかなり忙しかったのだろうと容易に想像がつく。
ハルの知る限り二ノ宮の両親がゆっくり旅行をしているということはなかったように思う。この間のアメリカ視察旅行以外は。
「また行ってもいいけど、この間みたいに1か月近くも留守にするなら先に言ってよね。ホントに困ったんだから。勝手に引越しされてるし実家にも入れないし」
水音が口を尖らせているのを見てハルはくすりと笑った。
「両親に一ヶ月も置いてきぼりにされたって?寂しかったのか?俺がいたのに」
「そんなんじゃないってばっ」
水音の頭をぐりぐりと撫でてやる。
二ノ宮の両親に受けた愛情をそのまま我が子にも与えてやりたいと思う。もちろん奥サンになる水音に一番深い愛を与え続けるのだけれど。
「ハル君もこれからもっと忙しくなるわね。寂しくて飛び出して来てもうちには入れないわよ」
「水音は邪魔しないように支えるんだぞ」
「わかってるってば」両親の言葉に水音がまた頬を膨らませる。
そんな水音の頬にぷにっと指を突っ込んでやるとぷっと空気の抜ける音がして「もうっ」と上目遣いで睨まれた。
テレビドラマの中で見るような家族が現実に存在するのだと知った。
二ノ宮の家にいるときは暁人と水音と同じように扱われ食器を洗ったり風呂掃除をすることもあった。本当の家族に入れてもらっていたように思っていたのは気のせいではなかったのだ。
「お二人の新婚旅行はノルウェーだったんですか」
「そうなの。白夜ってどんな感じなのかって興味あったし。ノルウェーはついでに行くって国じゃないでしょ。新婚旅行が終わればもうゆっくり休みが取れなくなるだろうってわかってたから余計に遠くに行ってやろうって思たのよね」
「出来るだけ二人でゆっくり過ごせる場所をと考えていたら決まったんだったね」
二ノ宮グループを背負って立つ二ノ宮の父はかなり忙しかったのだろうと容易に想像がつく。
ハルの知る限り二ノ宮の両親がゆっくり旅行をしているということはなかったように思う。この間のアメリカ視察旅行以外は。
「また行ってもいいけど、この間みたいに1か月近くも留守にするなら先に言ってよね。ホントに困ったんだから。勝手に引越しされてるし実家にも入れないし」
水音が口を尖らせているのを見てハルはくすりと笑った。
「両親に一ヶ月も置いてきぼりにされたって?寂しかったのか?俺がいたのに」
「そんなんじゃないってばっ」
水音の頭をぐりぐりと撫でてやる。
二ノ宮の両親に受けた愛情をそのまま我が子にも与えてやりたいと思う。もちろん奥サンになる水音に一番深い愛を与え続けるのだけれど。
「ハル君もこれからもっと忙しくなるわね。寂しくて飛び出して来てもうちには入れないわよ」
「水音は邪魔しないように支えるんだぞ」
「わかってるってば」両親の言葉に水音がまた頬を膨らませる。
そんな水音の頬にぷにっと指を突っ込んでやるとぷっと空気の抜ける音がして「もうっ」と上目遣いで睨まれた。