ボードウォークの恋人たち
詩音達がいるその木の向こうにハルのお母さんと義父の諸川さんの姿が見えた。
私が会釈したことでハルも気が付き視線を送ると、ハルのお母さんは気まずげに視線をそらし諸川さんだけがこちらに頭を下げてくれた。
実際、ハルとお母さんの関係は改善していない。
因みにハルのお父さんはーーーうちの両親と並んでうれし涙を浮かべている。
ハルとお父さんは私たちのこの結婚を機に和解していた。
二ノ宮の両親に結婚の挨拶に行った数日後の休日。
「今日、親父に会ってきた」
ハルがどこかに出掛けるのは知っていたけれど、私も仕事だったし特に気にしてはいなかった。
行き先が実家だったと知り思わず「え」と驚きの声をこぼしてしまった。
「今までのこと、親父に謝られた。・・・驚いたよ。俺は水音と結婚が決まったと報告だけしたらさっさと帰るつもりだったから」
「そうなんだ・・・」
絶縁してしまうのではと思っていたから本当に安心した。
実の親と疎遠になっているこの状態が良いものではないと思っていたし、何よりハルには実の親の愛情が必要だと思っていたから。
「よかったね」
幸せな気持ちになり心からの笑みを浮かべるとハルはぎゅっと抱きしめてきた。
「ああ」
抱きしめられているからハルの表情はわからないけれど、嬉しかったのだろうハルは自分の鼻を私の頭にぐりぐりとこすりつけてきた。
うふふ、くすぐったい。
「親父は週末にでも二ノ宮の家に今までの謝罪と婚姻の挨拶をしに行きたいと言っていた。いいか?」
「いいに決まってるよね!すぐにうちの親に連絡しなきゃ」
なんて嬉しい展開なのだろう。
ハルがお父さんと和解ができたことは最高の喜びだ。
それから本当にハルのお父さんはうちの実家に来てくれて今までのことを丁寧に謝罪してくれた。
お父さんは思春期のハルとどう向かい合っていけばいいのかわからなかった。
そんなことから始まったすれ違いはお父さんの仕事が忙しくなったこと、ハルが家に寄りつかず二ノ宮の家に入り浸っているという噂話がお父さんの耳に入ったことで余計に複雑な心境にしてしまったのだろう。
結局、進路のことで父子の間に決定的な亀裂を生んでしまったのだ。
私が会釈したことでハルも気が付き視線を送ると、ハルのお母さんは気まずげに視線をそらし諸川さんだけがこちらに頭を下げてくれた。
実際、ハルとお母さんの関係は改善していない。
因みにハルのお父さんはーーーうちの両親と並んでうれし涙を浮かべている。
ハルとお父さんは私たちのこの結婚を機に和解していた。
二ノ宮の両親に結婚の挨拶に行った数日後の休日。
「今日、親父に会ってきた」
ハルがどこかに出掛けるのは知っていたけれど、私も仕事だったし特に気にしてはいなかった。
行き先が実家だったと知り思わず「え」と驚きの声をこぼしてしまった。
「今までのこと、親父に謝られた。・・・驚いたよ。俺は水音と結婚が決まったと報告だけしたらさっさと帰るつもりだったから」
「そうなんだ・・・」
絶縁してしまうのではと思っていたから本当に安心した。
実の親と疎遠になっているこの状態が良いものではないと思っていたし、何よりハルには実の親の愛情が必要だと思っていたから。
「よかったね」
幸せな気持ちになり心からの笑みを浮かべるとハルはぎゅっと抱きしめてきた。
「ああ」
抱きしめられているからハルの表情はわからないけれど、嬉しかったのだろうハルは自分の鼻を私の頭にぐりぐりとこすりつけてきた。
うふふ、くすぐったい。
「親父は週末にでも二ノ宮の家に今までの謝罪と婚姻の挨拶をしに行きたいと言っていた。いいか?」
「いいに決まってるよね!すぐにうちの親に連絡しなきゃ」
なんて嬉しい展開なのだろう。
ハルがお父さんと和解ができたことは最高の喜びだ。
それから本当にハルのお父さんはうちの実家に来てくれて今までのことを丁寧に謝罪してくれた。
お父さんは思春期のハルとどう向かい合っていけばいいのかわからなかった。
そんなことから始まったすれ違いはお父さんの仕事が忙しくなったこと、ハルが家に寄りつかず二ノ宮の家に入り浸っているという噂話がお父さんの耳に入ったことで余計に複雑な心境にしてしまったのだろう。
結局、進路のことで父子の間に決定的な亀裂を生んでしまったのだ。