ボードウォークの恋人たち
「サポートよ。サポートしたいなって思っただけ」
「じゃあ有名進学校の有名な生徒会のサポートできて良かったな」

「・・・もういい」

兄との会話を切り上げたものの私の怒りはハルに向かっていた。

翌週うちに泊まりにきたハルを捕まえた。

「ハル!」

「水音、久しぶりだな」
いつも避けている私が話しかけるとハルはちょっとだけ嬉しそうに表情を緩めた。

「聞いたわ。私のこと生徒会に入れるようにリュウイチ先輩に圧力かけたんだってね」

「圧力じゃないよ、ちょっと頼んだだけ。水音は危なっかしいから」

「何でそんな事するのよ。私は別にやりたかったことがあったのに」

「心配だったんだよ、水音が。お目付け役がいたら変な男も寄ってこないだろうし」

変な男?そんなものはいないし。
しかし、リュウイチ先輩が私のお目付け役だったのは知らなかった。先輩もこんなことを頼まれてさぞかし迷惑だったに違いない。

裏で何をやってるんだ、バカハルは。

「もういい」
納得はできないけど今さら仕方ない。結局私も今は生徒会の活動を楽しんでやっているのだし。

その後もハルは何か言いたかったみたいだけど、私は聞かずに予備校に行くために家を出た。
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