ウエディングドレスを着せてやろう
「ありがとう。
だが、気にするな。
俺は今日は、最初から呑むつもりはなかったんだ」
と言ってくる光一に、
「何故ですか?」
と訊いてみた。
光一は一瞬、黙ったあとで、こちらを見つめ、
「酒を呑むと料理の味がわからなくなるからな」
と言ってきた。
ぽとり、と花鈴は甘辛い手羽先を落としそうになる。
本気だっ。
この人、料理に対して、本気だっ。
私もじっくり料理に向き合わなければっ、と花鈴は手羽先を真剣に食べ始めた。
いつもなら、ちょっと肉がついた状態で残すのに、とても綺麗に食べてみた。
すると、そんな花鈴を観察していたらしい光一が言ってくる。
「西辻、今、酔ってるか?」
「あっ、はいっ」
「……酔ってないと言い出したら、酔っている、とよく言うが。
自ら、ハッキリ酔っている、という場合はどうなんだろうな」
そう呟いたあとで、光一は言う。
だが、気にするな。
俺は今日は、最初から呑むつもりはなかったんだ」
と言ってくる光一に、
「何故ですか?」
と訊いてみた。
光一は一瞬、黙ったあとで、こちらを見つめ、
「酒を呑むと料理の味がわからなくなるからな」
と言ってきた。
ぽとり、と花鈴は甘辛い手羽先を落としそうになる。
本気だっ。
この人、料理に対して、本気だっ。
私もじっくり料理に向き合わなければっ、と花鈴は手羽先を真剣に食べ始めた。
いつもなら、ちょっと肉がついた状態で残すのに、とても綺麗に食べてみた。
すると、そんな花鈴を観察していたらしい光一が言ってくる。
「西辻、今、酔ってるか?」
「あっ、はいっ」
「……酔ってないと言い出したら、酔っている、とよく言うが。
自ら、ハッキリ酔っている、という場合はどうなんだろうな」
そう呟いたあとで、光一は言う。