ウエディングドレスを着せてやろう
「なんていうかこう、中華でイタリアンでフレンチな不思議な店ですが、美味しかったです」
アイスカフェモカを飲み終わる頃、花鈴は笑ってそう言った。
「そうか。
今日はまあ、お前とゆっくり話せてよかった」
「はい。
専務の家の猫の話など大変興味深かったです」
となんの勉強会のシメの挨拶だみたいなことを言ってしまう。
その間、スマホが何度も明るくなるなと思ったら、詩織、愛、姉、仙子から、
コンパはコンパはコンパは?
と呪いのようにLINEに入り続けていた。
「あのー、堀口さんたちからコンパはいつなんでしょう? と訊かれてるんですが」