ウエディングドレスを着せてやろう
 



「なんていうかこう、中華でイタリアンでフレンチな不思議な店ですが、美味しかったです」

 アイスカフェモカを飲み終わる頃、花鈴は笑ってそう言った。

「そうか。
 今日はまあ、お前とゆっくり話せてよかった」

「はい。
 専務の家の猫の話など大変興味深かったです」
となんの勉強会のシメの挨拶だみたいなことを言ってしまう。

 その間、スマホが何度も明るくなるなと思ったら、詩織、愛、姉、仙子から、

 コンパはコンパはコンパは?
と呪いのようにLINEに入り続けていた。

「あのー、堀口さんたちからコンパはいつなんでしょう? と訊かれてるんですが」
< 203 / 373 >

この作品をシェア

pagetop