ウエディングドレスを着せてやろう
「撮れませんっ。
撮れませんよっ、安芸さんっ」
と思わず叫ぶ。
「はっ?」
「私、安芸さんのこと、別に嫌いじゃないですっ。
いい人だな、とか、面白い人だな、とか思ってますっ」
え? 面白い人?
と訊き返してくる安芸は自分のことをそうは思ってはいないようだった。
「でも……、撮れないと思ってしまいました」
では何故、専務に頼まれたとき受けてしまったのか。
いや、田畑さんを坊っちゃま思いのご老人だと思っていたせいもあるが。
きっと、それだけでもない。
「私、もしかしたら、専務のこと、最初から気になっていたのかもしれません」
そう言うと、安芸は、しばらく間を置いて、
「……だから、そうなんじゃない? って、ずっと言ってるじゃん」
とちょっと寂しそうに言った。
「たぶん、光一もだよ。
前言ったろ?
光一は興味のないものは目にも入らない奴だって」
だから、僕にはわかってた、と安芸は言う。
撮れませんよっ、安芸さんっ」
と思わず叫ぶ。
「はっ?」
「私、安芸さんのこと、別に嫌いじゃないですっ。
いい人だな、とか、面白い人だな、とか思ってますっ」
え? 面白い人?
と訊き返してくる安芸は自分のことをそうは思ってはいないようだった。
「でも……、撮れないと思ってしまいました」
では何故、専務に頼まれたとき受けてしまったのか。
いや、田畑さんを坊っちゃま思いのご老人だと思っていたせいもあるが。
きっと、それだけでもない。
「私、もしかしたら、専務のこと、最初から気になっていたのかもしれません」
そう言うと、安芸は、しばらく間を置いて、
「……だから、そうなんじゃない? って、ずっと言ってるじゃん」
とちょっと寂しそうに言った。
「たぶん、光一もだよ。
前言ったろ?
光一は興味のないものは目にも入らない奴だって」
だから、僕にはわかってた、と安芸は言う。