ウエディングドレスを着せてやろう
今日の昼。
もう隠れて話す必要もなくなったので、リラクゼーションルームの日当たりのいい窓際の席で、花鈴はスマホを見ていた。
仙子からLINEが入る。
『結婚することになったの』
「え……」
と固まっていると、
「結婚することになったの」
と頭の上から声がしたので、誰かがLINEの文章を読み上げたのかと思ったが、違った。
いつの間にか横に立っていた愛が言っていたのだ。
は? と見上げる。
「結婚することになったの、私」
「え?」
「ああ、そうそう。
私もご両親にご挨拶しに行くことになったわ」
と前に座っていた詩織が自分のスマホを見ながら言ってくる。
「は?」