ウエディングドレスを着せてやろう
着たいかと問われれば、着てみたくはありますが。
単に受験から逃避したくて見てただけなんですけど……と花鈴は思っていたが、男から醸し出される有無を言わさぬ迫力に言葉が出なかった。
「そうか、着たいか。
じゃあ、俺が着せてやろう」
何故……っ!?
と花鈴は話の展開について行けず、手にしていた通学用のサブバッグを胸に抱いて身構える。
男は高校生の花鈴ではハンカチくらいしか持てないそのブランドの店を見上げ、
「此処はレンタルはなさそうだな。
じゃあ、買ってやろう」
と言い出した。
花鈴の手首をつかみ、店に入ろうとする。
だから、何故っ?
とその場で踏ん張る花鈴に向かい、男が言ってきた。
「その代わり、俺とちょっと写真撮れ」
「写真?」
「結婚式の写真だ。
大人っぽく化粧してもらえば、誰だかわからなくなるだろう。
それから、このことは他言無用だ。
ドレスは持って帰っていいが、絶対に人に見せるなよ」
と脅される。
絶対に人に見せられないドレスを買ってもらって、なにか意味があるのでしょうかね……と青ざめながら花鈴は思っていた。
単に受験から逃避したくて見てただけなんですけど……と花鈴は思っていたが、男から醸し出される有無を言わさぬ迫力に言葉が出なかった。
「そうか、着たいか。
じゃあ、俺が着せてやろう」
何故……っ!?
と花鈴は話の展開について行けず、手にしていた通学用のサブバッグを胸に抱いて身構える。
男は高校生の花鈴ではハンカチくらいしか持てないそのブランドの店を見上げ、
「此処はレンタルはなさそうだな。
じゃあ、買ってやろう」
と言い出した。
花鈴の手首をつかみ、店に入ろうとする。
だから、何故っ?
とその場で踏ん張る花鈴に向かい、男が言ってきた。
「その代わり、俺とちょっと写真撮れ」
「写真?」
「結婚式の写真だ。
大人っぽく化粧してもらえば、誰だかわからなくなるだろう。
それから、このことは他言無用だ。
ドレスは持って帰っていいが、絶対に人に見せるなよ」
と脅される。
絶対に人に見せられないドレスを買ってもらって、なにか意味があるのでしょうかね……と青ざめながら花鈴は思っていた。