幼なじみに溺愛されてるみたいです…!
「みお…」

そう言って唇に何か柔らかい物があたった。目を開けると怜の顔が目の前にあった。

(この柔らかいものって…怜の口!?)

勢いよく手を振り外し離れた。その衝撃で怜が起きたようだ。

「んんっ…あれ、未桜来てたんだ。ご飯?」

私は思考停止で動けなかった。不思議に思った怜は私に近づいてきた。

またキスされると思い目を瞑った。怜が触れたのは私のおでこだった。

「んー熱はないね。なんかあった?」

(さっきの出来事寝てて覚えてない…?)

それなら気づかれないようにしなきゃ!

「ううん!なんでもないよ!街に人多かったから疲れちゃったみたい(笑)」

「そっか」

怜は納得したようで起き上がった。

「んじゃ未桜ん家行こっか」

ご飯を食べている間もお風呂に入ってる間もずっとさっきのシーンが頭の中で流れている。

(怜とキス…しちゃったよぉぉ)

ご飯の間も上の空で家族にも心配された。

次の学校の日お昼は美奈と食べる約束をしていたので中庭の椅子へ行った。先に美奈が座っていた。

「ごめん!お待たせっ」

「ううん!来てくれてありがとう!」

私は横に座った。

「ごめんね!佐山くん達と一緒に食べてたよね?」

「大丈夫!友達と食べてくるって言ったら快く送り出されたからっ(笑)」

私が友達が出来ることはあまりないので2人は気にしないで楽しんできなっと送り出してくれた。

「そっか!ならよかった」

美奈と直接話すのはこれで2回目だがとても話しやすい。美奈もお菓子作りが好きみたいで気も合う。

昼休みはあっという間に終わり教室に戻った。席に座ると怜が振り返った。

「楽しかった?」

「うん!楽しかったよっ」

「ならよかった」

そう微笑んだ。チャイムがなり先生が来て授業が始まった。

5時間目が終わり6時間目が始まった。6時間目はLHRで入学してから1ヶ月がたったので席替えとなった。

席替えはくじ引きだ。

(話せる人近くにいるといいなぁ)

そう願いながらくじを引いた。番号は1番が廊下側だ。私の番号は…35だ。1番後ろの窓側だ。

(やった!場所的には1番いいとこ!)

「未桜何番?」

「35!怜は?」

「じゃあ隣だ。俺28」

怜が近くにいてとりあえず安心した。番号を確認し新しい席に移動した。周りを見ると前の席が福井くんで怜の前の席が野外学習の時同じ部屋だったさらちゃんだ。

晴ちゃんはどうやら1番前だったみたいだ。嫌だーと叫んでクラス全員に笑われていた。先生は特等席じゃないか(笑)と言っていた。

福井くんが振り返り話しかけてきた。

「清水さん、よろしくね」

「うん!よろしくっ」

怜も1番後ろの席だったので授業中見れないじゃんという声もチラホラ聞こえた。相変わらず人気のようだ。
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