完璧御曹司の優しい結婚事情
お互いの指輪は彼女の棺に入れたし、婚姻終了届も提出した。だから、公的に僕と彼女を繋ぐものは何もなくなった。
自由にしていいと、周りから言われる。でも、自分がしでかしたことを考えると、とても自由になんてできなかった。
いつしか、自分は人を愛する資格のない人間だと思うようになり、香穂が亡くなって以来、誰かと付き合うこともなかった。女性から誘いを受けても全て断り、知らず知らずのうちに、人との付き合いに一線を引くようになっていた。
毎日、自宅と職場を往復するだけの日々。たまに友人と過ごすこともあった。そんな時間も含めていつも、自分の世界にはもやがかかっているようだった。
香穂が生きていた頃、彼女にいろいろなものを見せてやりたいとはじめたカメラも、いつしか趣味になっていたのに、今ではすっかりやめてしまった。自分が何かを楽しむことに、罪悪感に苛まれることもあった。
いっそのこと、荒れてボロボロになれる性格ならよかったとすら思った。
でも、自分にはそうすることもできず、ただ仕事にだけ目を向けてる、どこか虚しい日々を過ごしていた。
自由にしていいと、周りから言われる。でも、自分がしでかしたことを考えると、とても自由になんてできなかった。
いつしか、自分は人を愛する資格のない人間だと思うようになり、香穂が亡くなって以来、誰かと付き合うこともなかった。女性から誘いを受けても全て断り、知らず知らずのうちに、人との付き合いに一線を引くようになっていた。
毎日、自宅と職場を往復するだけの日々。たまに友人と過ごすこともあった。そんな時間も含めていつも、自分の世界にはもやがかかっているようだった。
香穂が生きていた頃、彼女にいろいろなものを見せてやりたいとはじめたカメラも、いつしか趣味になっていたのに、今ではすっかりやめてしまった。自分が何かを楽しむことに、罪悪感に苛まれることもあった。
いっそのこと、荒れてボロボロになれる性格ならよかったとすら思った。
でも、自分にはそうすることもできず、ただ仕事にだけ目を向けてる、どこか虚しい日々を過ごしていた。