完璧御曹司の優しい結婚事情
そうだった。僕と香穂の間にあったのは、悲しみだけじゃなかった。
香穂が幼かった頃、庭に出て一緒に花摘みをしたし、外でおやつを食べて、特別だねって笑い合うような楽しい時間がたくさんあった。

彼女の生きた証を残そうと、躍起になっていたけれど、そんなことをしなくても彼女は確かに生きていたし、その名残は今も思い出の中にある。

川村さんの言葉に、救われた気がした。

僕の日常にかかっていたもやが、すっと晴れていくのがわかった。











< 131 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop