完璧御曹司の優しい結婚事情
それからというもの、オフィスにいるとつい、川村さんの姿を目で追ってしまうようになった。
最初は、もう大丈夫だろうかと心配する思いからだった。
彼女は休日のうちにちゃんと愛猫を見送れたようで、すっかり元気そうにしていた。大丈夫そうだと納得したけれど、その後も気付くと彼女のことを考えてしまっていた。それがどんな気持ちからなのか、気付いたのは祝勝会と称した飲み会の時だった。
新人の仕切りで開かれたこの会は、トラブルを解決させた功労者に加えて、日頃お世話になっている女性アシスタントをもてなすという趣旨だった。その言葉通り、いつもとは違って男性社員がお酒を注いで回るという、これまでになかった会になっていた。課のまとまりを強くするいい会になりそうだと、部長も感心して自ら席を回っていた。
それでは自分もと思ったものの、行く先々で足止めに合い、無碍にすることもできず、全てを回り切ることはできなかった。
横目で川村さんの様子を窺うと、彼女の周りにも入れ替わり男性社員がついていて、戸惑いつつも会を楽しんでいる様子が伝わってきた。
最初は、もう大丈夫だろうかと心配する思いからだった。
彼女は休日のうちにちゃんと愛猫を見送れたようで、すっかり元気そうにしていた。大丈夫そうだと納得したけれど、その後も気付くと彼女のことを考えてしまっていた。それがどんな気持ちからなのか、気付いたのは祝勝会と称した飲み会の時だった。
新人の仕切りで開かれたこの会は、トラブルを解決させた功労者に加えて、日頃お世話になっている女性アシスタントをもてなすという趣旨だった。その言葉通り、いつもとは違って男性社員がお酒を注いで回るという、これまでになかった会になっていた。課のまとまりを強くするいい会になりそうだと、部長も感心して自ら席を回っていた。
それでは自分もと思ったものの、行く先々で足止めに合い、無碍にすることもできず、全てを回り切ることはできなかった。
横目で川村さんの様子を窺うと、彼女の周りにも入れ替わり男性社員がついていて、戸惑いつつも会を楽しんでいる様子が伝わってきた。