完璧御曹司の優しい結婚事情
恋人達の蜜月
課長にマンションまで送ってもらった翌日。自宅でゆっくりしていたら、突然電話の着信音が鳴り響いた。

ー真田課長ー

予想外の電話に、不意に心拍数が上がる。
慌てて応答ボタンをタップした。

「も、もしもし」

「川村さん。今、大丈夫？」

「は、はい。大丈夫です」

「来週の日曜日、香穂のお墓参りに行こうと思ってるんだけど、川村さんの都合はどう？」

こんなに早く連絡が来るとは思っていなかった。急いでスケジュール帳を取り出して確認する。

「大丈夫です」

「よかった。実は昨日、川村さんを送った後に、香穂の家に行ってきたんだ。香穂の母親に、当時のことと自分の気持ちを包み隠さず全て話してきた。その話を、お墓参りに行く時に川村さんに聞いて欲しくて」

「私が聞いてもいいんですか？」

なんだか、課長に頼りにされているようで嬉しくなる。でもその反面、上司のプライベートのことを、ただの部下にすぎない私が聞いてしまってもいいものかなのかと不安になる。

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