完璧御曹司の優しい結婚事情
ランチタイムになって、佐藤さんと社食を訪れていた。

「葉月ちゃん、今朝の見てたわよ」

「今朝の?」

「課長達と飲みに行ったの?」

あっ……秘密だって言ってたんだけど……

「み、見ちゃいました?」

「うん」

「聞こえちゃいましたか?」

「うん」

それはもう、美しく微笑んでみせた佐藤さん。な、なんか、怖い……
詳細を話せと、無言の圧力をかけられて観念した。

「えっと……ここだけの話で留めてくださいね。あのトラブルで、課長と鈴木さんが連日遅くまで残業されてたんですけど、お二人とも見るからにお疲れで、私も最後はいつもより遅くまで手伝わせてもらったんです。全てが終わった時に、鈴木さんの発案で内緒で3人で打ち上げしようってなって。ただ、鈴木さんがお店に入るところで前島さんに見つかってしまって、結局4人でになったんですけど」

「うわっ、本当に?羨ましい。真田課長とその人数で飲み会だなんて!!」

一人身悶えする佐藤さんを見て思い出した。課長は本当に女性に人気のある人だった。だって、あんなに完璧な姿を、いつもブレることなく見せてるから。
でも、その姿はほんの一面にすぎないことを、私は知っている。

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