完璧御曹司の優しい結婚事情

「ちょっと、ますます葉月ちゃんが困ってるじゃないの！プライベートのことに触れられたくないのよ。ねえ、葉月ちゃん」

「は、はい」

「鈴木さん、私ならいつでも付き合いますけど？夕飯、ご一緒しましょうか？」

佐藤さんがニヤリとしながら言い放った。対する鈴木さんは、途端にタジタジになっている。

「え、えっと……」

「私じゃダメだとでも？とにかく、葉月ちゃんをこれ以上困らせないようにしてください。食事や飲みなら、みんなでわいわいと行きましょう」

「そ、そうだね」

やっと席を離れていってくれて、ホッとする。

「葉月ちゃん、大丈夫？」

「はい。助けてくれて、ありがとうございました」

「これぐらいいいのよ。それよりも……」

佐藤さんは声をひそめて、私の耳元に顔を寄せてきた。

「早く彼氏でも作っちゃいなさい。なんなら、課長に告白してみるのもアリかもよ」

「えぇ！？」