完璧御曹司の優しい結婚事情
「体、大丈夫?」

「だ、大丈夫です」

「よかった。目が覚めたなら、シャワーを浴びる?お湯も入れてあるから、ゆっくりしておいで。」

樹さんからは、ボディーソープの香りがしてくる。どうやら、私が寝ている間にシャワーをすませたようだ。

「ご、ごめんなさい。その……」

「何を謝ってるの?」

「昨日は、その……知らないうちに寝ちゃって……」

「昨日の葉月は、すごく可愛かった。僕も余裕がなくて、ごめん。無理させちゃったかな?」

慌てて首を横に振る。だって、樹さんは私が怖がらないように、ずっと気を遣ってくれていたから。

「葉月の可愛い寝顔を見れたし、幸せな朝だよ」

再び顔に熱が集まってくる。樹さんのストレートな言葉一つ一つが嬉しくて、真っ赤な顔で彼を見つめた。

< 266 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop