完璧御曹司の優しい結婚事情
「葉月、おいで」

樹さんはソファーの方へ私を呼び寄せると、ぐいっと腕を引っ張って、樹さんの足の上に跨るように向かい合わせにうわらせた。

「い、樹さん?」

この座り方は、すごく恥ずかしい。逃れようともがくも、腰をがっちり押さえ込まれてしまって、身動きが取れない。

「葉月。君のおかげで、僕は前に進むことができた。どうしようもなく、君が好きだ」

樹さんの真剣な眼差しを前にして、抵抗することをやめた。樹さんは私の首元に顔を埋めると、そのまま輪郭をなぞるように唇を這わせてくる。耳朶を甘噛みされれば、背中がぞくぞくとしてくる。

「ん……」

恥ずかしいぐらい甘い吐息を漏らすと、待っていたかのように唇を塞がれた。樹さんは、私の反応を確かめながら、徐々に口づけを深めていく。

「葉月が欲しい」

ストレートな言葉に、首を縦に振る。樹さんはそのまま向かい合わせに私を抱き上げると、そのまま寝室へ向かった。

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