完璧御曹司の優しい結婚事情
雲間から差し込む光
月曜日になり、樹さんの運転で会社に向かう。ここのところ晴天が続いていたけれど、今日は久しぶりに曇っている。
樹さんはこれまで通り、会社の少し手前で降ろしてくれた。
「暑いんだから、会社まで乗って行けばいのに」
私を気遣うように言ってくれるけど、そんな勇気なんて私にはない。
「あとちょっとの距離だから大丈夫。また後で」
引き留められる前に、ヒラリと手を振って歩き始めた。
午前中は会議が入っていて、樹さんはずっと席を外していた。もし樹さんが異動になったら、こんな感じで彼の気配を感じなくなるんだろうかと思ってしまう。
ううん。異動になったら、彼が今何をしているのか、どこにいるのか、もう帰ったのか、何もかもわからなくなるんだ。
もうすぐ異動になりそうだと聞いたせいで、なんだか不安が募っていく。心も体もつながって、かつてないほどの幸せを感じたというのに、なぜがマイナスなことばかり考えてしまう。
樹さんはこれまで通り、会社の少し手前で降ろしてくれた。
「暑いんだから、会社まで乗って行けばいのに」
私を気遣うように言ってくれるけど、そんな勇気なんて私にはない。
「あとちょっとの距離だから大丈夫。また後で」
引き留められる前に、ヒラリと手を振って歩き始めた。
午前中は会議が入っていて、樹さんはずっと席を外していた。もし樹さんが異動になったら、こんな感じで彼の気配を感じなくなるんだろうかと思ってしまう。
ううん。異動になったら、彼が今何をしているのか、どこにいるのか、もう帰ったのか、何もかもわからなくなるんだ。
もうすぐ異動になりそうだと聞いたせいで、なんだか不安が募っていく。心も体もつながって、かつてないほどの幸せを感じたというのに、なぜがマイナスなことばかり考えてしまう。