完璧御曹司の優しい結婚事情
「おはようございます」

「ああ、葉月ちゃん。おはよう」

自席の近くにいた鈴木さんと挨拶を交わす。いっとき言い寄られるような感じで苦手意識があったけれど、最近はやっと普通に接しられるようになってきた。

「今井さんの代打、今日からみたいだよ」

「本当ですか?それは助かります」

「葉月ちゃん達アシスタントには、けっこう無理させちゃってたからね。これで少しは楽になりそうだね」

「はい」

樹さんの席に目を向ける。もちろん、出社はしているみたいだけど、その姿は席にはなかった。


鈴木さんの言っていたように、今日から新しい人が来るようで、臨時の朝会を開くと招集をかけられた。
時間になると、樹さんとその横に知らない女性が並んで入室してきた。スタイルが抜群によくて、とても綺麗な人だ。途端に、オフィス内がざわつき始めた。
本当なら、朝会の進行は樹さんがするところなのに、なぜか今日は部長が話し始めた。

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