完璧御曹司の優しい結婚事情
「葉月に連絡をしながら、父にも連絡をしたら、父もそんなことになっているとは知らなかったようだ。父からも、きっちり抗議しているはずだ。これで取引がなくなっても、何の問題もない。困るのは北沢さんサイドだ。
だから、葉月。そんな顔しないで」

よっぽど不安な顔をしていたのだろう。樹さんは優しく私の頬に手を添えた。2人の間を暖かな風が吹き抜けていく。

「葉月。不安な思いをさせてしまって、ごめん」

樹さんの真剣な目を見ていると、本当に申し訳なく思っていることが伝わってくる。

「僕はこれから先もずっと、葉月以外の人はいらない。葉月じゃないとだめなんだ」

樹さんから目を逸らすなんてことはできなかった。熱く見つめられれば、さっきまでの不安は払拭されて、次第にドキドキしてくる。



「葉月、僕の家族になって欲しい。僕と結婚してくれないか」





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