完璧御曹司の優しい結婚事情

「葉月さんは、バツイチの息子でもいいのかい？」

「香穂さんとのことは、樹さんから聞かせてもらいました。私は、その樹さんの優しさに惹かれたんです。バツイチだなんて、全く気になりません。むしろ、私の方こそ、自分でいいのかって……」

「葉月。僕は葉月じゃないとだめなんだって、何度も言ってるよね？」

話している途中で、樹さんが割り込んでくる。社長の前だというのに、私の顔に手を添えて覗き込んでくる。

「はははは」

そんな私達を見て、社長が笑い出した。

「２人の気持ちはわかったよ。私は２人の結婚に賛成だ。樹のこんな顔を見られたんだ。それだけで、もう言うことはないよ。
樹、週末にでも葉月さんを連れてうちに来なさい。母さんが、まだかまだかって、首を長くして待ってる」

「はい」