完璧御曹司の優しい結婚事情
「母さん、我がままなんて言い方をすると、樹に叱られるぞ」
「我がままは我がままよ。樹が自分を通してくれたことが、私は嬉しかったんだからいいの」
再び私に向き直ったお母さんは、申し訳ないような、それでいて嬉しそうな顔をした。
「香穂ちゃんのお母さんからね、樹が来てあの時のことを話してくれたって聞いたの。やっと樹が前を向いてくれたことが嬉しくて、兼ねてから申し込まれていたお見合いの話を、勝手に進めてしまったの。そしたら樹に〝勝手なことをしないでくれ〟って叱られちゃったわ」
叱られたと言いつつも、やっぱりお母さんは嬉しそうだ。その横で、お父さんは申し訳なさそうにしている。先日の社長室でのやりとりが思い出される。
「その時、葉月さんのことをちゃんと話してくれたの。このことで、葉月さんには嫌な思いをさせちゃって、ごめんなさいね」
「いえ、もう大丈夫です」
「我がままは我がままよ。樹が自分を通してくれたことが、私は嬉しかったんだからいいの」
再び私に向き直ったお母さんは、申し訳ないような、それでいて嬉しそうな顔をした。
「香穂ちゃんのお母さんからね、樹が来てあの時のことを話してくれたって聞いたの。やっと樹が前を向いてくれたことが嬉しくて、兼ねてから申し込まれていたお見合いの話を、勝手に進めてしまったの。そしたら樹に〝勝手なことをしないでくれ〟って叱られちゃったわ」
叱られたと言いつつも、やっぱりお母さんは嬉しそうだ。その横で、お父さんは申し訳なさそうにしている。先日の社長室でのやりとりが思い出される。
「その時、葉月さんのことをちゃんと話してくれたの。このことで、葉月さんには嫌な思いをさせちゃって、ごめんなさいね」
「いえ、もう大丈夫です」