完璧御曹司の優しい結婚事情
「葉月、愛してる」

突然の言葉に驚いていると、樹さんは真剣な表情で続けた。

「一生、僕のそばにいて欲しい。葉月、結婚しよう」

いつのまに用意したのか、樹さんはポケットから小さな箱を取り出すと、中に入っていた指輪を私の指にそっとはめた。私はそれをじっと見つめる。

樹さんからのプロポーズは、すでにYESの返事をしている。だけど、彼の言うように、問題も課題もクリアした今、改めて本当の返事ができる気がした。

「はい」

流れる涙もそのままに応えれば、樹さんが幸せそうな顔をして抱きしめてくれる。この腕の中にいられる幸せを噛みしめながら、そっと彼の背中に腕を回す。

「ずっと、私と一緒にいてね」

樹さんの腕に、力が込められる。

「もちろん」





END
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