完璧御曹司の優しい結婚事情
「おっ、葉月ちゃん！おはよう」
「葉月さんおはようございます」

「お、おはようございます……？」

前島さんと玉田さんが、揃ってオフィスに現れた。２人ともが耳慣れない呼び方をしてくるから、驚いて首を傾げる。

「あれ？葉月ちゃん、金曜日のことを覚えてないの？ていうか、ちゃんと課長に送ってもらった？」

「は、はい。タクシーで自宅まで送っていただきました。えっと……葉月ちゃんって……？」

「やっぱり覚えてないか。ごめんねぇ。俺達、葉月ちゃんに飲ませすぎちゃったみたいで」

「い、いえ……」

「あの時、近くにいた人達で、葉月ちゃんって呼ぼうってなったんだよ。なあ、玉田」

「はい。僕は年下なので、葉月さんってしたんですけど」

「へぇ。葉月ちゃんかあ。じゃあ、同じチームだし、僕もそう呼ばせてもらおうかな？」

「課長！？」

おもわず、私と前島さんと玉田さんの声が揃った。だって、いつも真面目な真田課長まで、その呼び方に乗ってくるなんて……

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