「No title」
「今日はもう帰っていいんじゃねーの?
入学式だけだろ?」
私の隣に腰掛けた先輩は徐にズボンのポケットから四角い箱とライターを取り出した
金髪にタバコ
「先輩、不良ってやつですか?」
旧校舎の非常階段が誰も来ないような場所なのは分かるが学校内で堂々と金髪にタバコなんて不良以外に何があるんだろう
「吸いたいの?」
四角い箱から半分でたソレを私に向ける先輩
質問の回答になっていない
そもそも質問の内容を理解出来ていないな
「私、不良じゃないので」とシッシと手でソレを払い除ける
「あざ」
なんのお礼?と不思議に先輩を見れば
ニコッとした笑顔で私の手を掴み
先輩の顔の前まで持っていかれる
「そのままね」
そう言うと同時にカチッとライターの音がする
これはあれだ、私の手で風避けをしてるって訳だ
なんとまぁどこまでもうざいこの人は