「No title」


ただ鬱陶しい甘さのお陰で恥ずかしさが半減した


「ねぇ!茜くん聞いてる??」


立花先輩にくっつく女の人は
一生懸命立花先輩に声をかける
たぶん立花先輩が好きなんだろう


だけど立花先輩の声は私の名前を呼んだ以降一言も聞こえなかった


その事も気になって全然集中できない


本は諦めよう



そう思って本を閉じると


「風鈴、先輩に会釈だけってよろしくないと思うけど?」


いつの間にか私の近くまで来ていた立花先輩が私の目の前に片手を置いて首を傾げる


立花先輩の顔を見ると

私の反応を楽しんでいるのかニコニコ気持ち悪い笑顔をしていた








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