「No title」
立花先輩に連れてこられたのは
入学式ぶりの使われていない旧校舎の非常階段
立花先輩は非常階段に腰を下ろすと
隣のスペースの砂を払って私に座るよう
隣をトントンと叩く
拒否する理由もなく素直に立花先輩の横に腰を下ろす
「もう会う必要はないと思うんですけど」
ジャージも返したし
特に話すようなことも無い
「冷てえな〜
でも風鈴のそれがいいんだけどな」
そう言って2段上に上がると
立花先輩はタバコを吸い始めた