「No title」
正直なんで好きかなんて深く考えたことがない
気づいたら好きになっていた
「きっかけなんてなくて
きっと好きになる運命だったんだと思います」
彼の強さ温かさ優しさ
思い出すと胸が苦しくなった
「風鈴…」
小さく弱々しい立花先輩の声
その瞳は細かく震えている
1段、また1段と立花先輩が私との距離を縮める
私の隣まで戻ってくると
段々と立花先輩のキラキラした金色が近づいてきた
スローモーションのように遅く感じるけど
避けなきゃと頭の中では思っているけど
私の体は金縛りのように固まっていた
そしてそのまま立花先輩の唇が私の唇に優しく触れた