「No title」
保健室を出てすぐ
壁に寄りかかっている立花先輩の姿があった
少しまだ顔色が悪いけど
立花先輩は私を見ると優しく微笑んだ
その顔をみて少しホッとする
「帰りましょう」
そう言うと立花先輩は「送る」と私を支えるように手を引いた
反対側の手には私が怪我を処置してもらっている間に取りに行ったのか私のカバンがあった
もう震えも汗も止まっている
だけどいつもの立花先輩に戻った訳では無い
ただ何も言わず
じっと前だけを見て
『何も聞くな』そう言われているように感じた