「No title」
私が抱きしめてからしばらくそのままだった先輩が私に答えるように背中に手を回す
そっと優しく抱き締め返す先輩の手が温かくて心地いい
「風鈴…」
耳元で優しい先輩の声が私を呼ぶ
「はい…」
返事をすると
先輩の抱きしめる力が強くなる
それと同時に徐々に冷静になっていく私の頭の中
決して広くない家に高校生男女が2人きり
体は密着していて
すぐ側にベッドもある
ドキドキと鼓動が早くなっていくのを感じて私は先輩の胸を強く押して距離をとった
「ご、ごめんなさい!!
抱きしめたのは先輩が辛そうだったからで…!
失礼いたしました!!」