「No title」


からかってくる先輩は相変わらずうざいけど

いつもの調子に戻ったみたいで安心する


「風鈴、やっぱり俺と付き合ってよ」


距離をとる為にソファから立ち上がった私の右手を先輩が掴んでくる



さっきまでの大人しい先輩はどこへ行ったんだか…。


「そういう冗談は私以外の女の子にしてください」


パッと先輩の手を振り払い


ちょうどタイミング良く乾燥が終了した音が聞こえたので私は先輩のシャツを取りに向かった


すっかりシミは落ちて綺麗になったけど

乾燥にかけたせいでシワが出来てしまったシャツにアイロンをかける



アイロンをかけながらリビングにいる先輩が気になっていると


「風鈴〜、今日泊まってっていい〜?」


なんてまた馬鹿なセリフが聞こえてきた。



< 68 / 100 >

この作品をシェア

pagetop