「No title」



だけどそれは俺が中学生に上がる頃には


別の感情へと変わっていった。


〝羞恥〟〝呆れ〟〝苛立ち〟


派手な格好ときつい香水


毎回違う男と遊び
酒臭いまま帰ってくる自分の母親に



年頃の俺は恥じらいを覚えた。



「母さんもうやめてくれよ」

「茜…私寂しいの…1人じゃ辛いの…」


少し前までの俺だったら
辛そうな母さんを優しく慰めていたけど


段々とその気持ちが薄れていった。






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