「No title」
私が言葉を言い終えてすぐ
グイッと引き寄せられ
先輩の温もりに包まれる
先輩の心地いい心音がトクトクと聞こえてくる
「先輩…」
どうしてか私は抵抗できず
先輩が満足するまでなら、と黙っていると
「やっぱ、今から抱いていい?」
「はっ!?」
また馬鹿なセリフが頭上から聞こえてきて
慌てて先輩から離れた
「変態!!」
ゆでダコ状態の私に
至って平気そうな顔の先輩
こういう雰囲気には慣れているんだろう
それがなんだか悔しくて私は傍にあったクッションを思いっきり先輩に投げつけた
「やっぱ先輩ってキモイですね!」