「No title」
ーー…
先輩の話を聞いた次の日から
先輩は毎朝私をバイクで迎えに来るようになった
もちろんそれは怪我が治るまでの間だけ
帰りも先輩と一緒
バイトの日はバイト先まで。
「風ちゃん立花先輩と付き合ってるってすごい噂になってるよ
美男美女カップルの誕生だーって
すっかり有名人だね」
凛子がさっき売店で買った焼きそばパンをもぐもぐ食べながら言う
凛子には付き合ってないことと
先輩と登下校している理由は伝えてるからいいけど
さすがに全校生徒にまで伝えるなんて誰にもできない
「言わせとけばいいよ
足も捻っただけでもう来週には平気になってるだろうし」
「いや〜立花ファンは怖いね〜
怪我が治ってもしばらくは一緒にいて守ってもらったほうがいいんじゃない?」