冷酷姫に溺れて。

「なぜ契約した!?」

「…先輩が変な薬、飲ませるからですよっ!
だから、入井くんは貧血で倒れた…」

「そりゃそうさ。僕が飲ませたのは血を吸い取る薬だからね。あれを根本的に死滅させない限り、彼はまた倒れるだろう」

淡々と語る先輩に腹が立った。

なんなの?

先輩が変な薬を飲ませるから、こうなったのに。

「どうしても入井くんに血をあげなきゃいけないんです!その時だけ接触してもいいですよね!?」

「……それは多めに見るよ。
でも、本当にそれ以外は話したらダメだよ」

「分かりました。早く治す薬を下さい」

「はいはい」

先輩は鞄からタブレットケースを取り出した。

「ここに入ってるよ。
もし、偽物だったらどうする?」

「…それをして先輩に何のメリットがあるんです?もし私と復縁したいって本気で望んでいるんなら、偽物をあげたりしないと思います」

先輩は面白そうに笑った。

「確かにそうだね。理紗、やはり僕が見込んだだけあるよ」

私はタブレットケースを受け取ると、足早に生徒会室を出た。
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