冷酷姫に溺れて。
真優が俺のことを好き?


あいつのことは幼なじみで親友としか思ってなかった。

それなのに、好き?

嘘だろ…。


俺の答えは決まっている。

「真優、待て!」

「嫌だっ!振られるから」

「…待てよっ」

「否定しろ、バカ」

「つかまえた」

真優の手をがっしり掴んだ。

「離してよ!」

「俺は霜月さんが好きなんだ。
だから、お前の気持ちには答えられない」

「だめ、私を好きって言って!
そうしないと会長に……」

「会長に脅されたのかよ!」

「手を組んだのよ!一緒に霜月さんと千影をバラバラにさせるってね!」

何だよそれ。

「お前まで邪魔するのは頼むから、やめてくれ…」

「……千影」

俺は泣きたかった。

友達に裏切られて、心が痛かった。

「仲がいいですね。
素晴らしい友情ごっこだ」

会長が拍手しながら近づいてきた。
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