冷酷姫に溺れて。
なんでだよっ。
なんで、あいつに裏切られなきゃいけないんだよ。
それに俺のこと好きって嘘だろ?
あり得ねぇよ。
こんなのどうかしてる。
俺は光に電話をかけた。
「…お前と話したい」
「んー、今どこ?」
「渡り廊下」
「りょっ、今いく」
光に話したい。
もう、俺だけひとりだけじゃ無理なんだ。
これ以上抱えきれない。
光が来ると、真優と会長のことを話した。
「そうか。やっぱり真優は千影の事が好きだったんだな」
え?
なんで驚かないんだ?
「逆に気づかなかったのかよ。お前鈍すぎるぞ」
そんなこと言われても分かんなかったもんは仕方ないだろ?
「でも千影は冷酷姫が好きなんだろ?」
「ああ」
俺は霜月さんが好きなんだよ。
誰になんと言われようと諦めない。
俺が初めて好きになった、大切な女の子だから。