冷酷姫に溺れて。


「真優は会長の仲間になったのか。恋ってすげぇし、女っておっかねぇよな」

「全部、俺のせいだよな……」

俺のせいで真優を傷つけた。

だからその選択をせざる得なかった。

…俺は最悪な吸血鬼だ。



「千影、自分を責めるな」

なぜか、光はそう言った。

まるで俺の心を見透かしてるみたいに。

「責めてねぇよ…」

「何年一緒にいると思ってんだ。お前のことぐらい分かるわ」

「…そうだよな、光には分かっちゃうよな」

「そんなに責めるな、千影。お前が今しなくちゃいけないことをしろ。お前が動かなきゃ真優は変わらない。変われない。今の真優を救えるのはお前だし、霜月さんとの関係も会長との問題の解決が出来るのもお前だけだ」

そうだな。

光の言う通りだ。

俺が何か行動を起こさないと真優も霜月さんも戻ってこない。

それに会長にも勝てない。

「光、ありがとう。お前のお陰でやること分かったわ」

「おう。また何かあったら言えよ」

「ああ」

俺と光は拳と拳を合わせると、別々の教室に戻った。

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