冷酷姫に溺れて。

俺は霜月さんの手を取り、ぎゅっと握った。

霜月さんもその手をぎゅっと握り返してくれた。

どうしよう、ものすごくキスしたい。


「あのさ、キスしてもいい?」

「え、うん…」


霜月さんは会長としてたし、慣れてるのかもしれないけど、俺は初めてだからな。

キスってどうやってやるんだろう。

霜月さんはゆっくり目を閉じた。

まつげ長いな。

俺も雰囲気に任せ、唇を近づけた。


「ちっかげー!こんなとこに居たのか……え、あ、え!!!!????」

「ばか……」


唇が触れる触れないぐらいで、光とその彼女が来た。

俺と霜月さんは顔を真っ赤にさせて離れた。


「…悪い」

「いいよ」


本当はめっちゃ残念だけど。

霜月さんは光の彼女を見て驚いた。


「愛!?」

「おー、理紗おめでと!!」


その子はすごく嬉しそうに霜月さんに抱きついた。

霜月さんの友達か?


「この子は親友の愛。私も最近知ったんだけど、蓮常寺くんと付き合ってるみたいなの」

「どうも、山崎愛です。うちの理紗がお世話になってまーす!」

「てか、お前の彼女って霜月さんの親友だったのかよ!」

「そーらしいな」


おいおいマジかよ…。

言ってくれても良かったのに。
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