冷酷姫に溺れて。


「霜月さん!おはよう」

霜月さんはいつものように無視してくる。

まあ、仕方ないよな。

こんな俺だし。


「千影ったらまた冷酷姫に話しかけてる」

「お前には高嶺の花だよ」

知ってるよ。

そんなこと、最初から知ってる。

ただ俺は前みたいな笑顔を見たいだけ。

霜月さんに笑ってほしいだけなんだ。


今日は全クラスが集まって、授業する日だ。

みんなと会えるのが嬉しい。

それ以上に霜月さんと同じ空間で授業を受けられるなんて、もっと嬉しい。

席は自由で、受ける教科も自由。

霜月さんと同じ授業を受けれますように。


「千影!俺と一緒に行動しよーぜ!」

「彼女はいいのかよ」

「あ、そっか」

「彼女と受ければいいじゃん」

「千影くん、寂しくない?」

「寂しくない!」

まあ、霜月さんがいればな。

「そーか。それなら、彼女と受けるわ!」

結局、光は彼女と授業を受けるみたいだ。
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