冷酷姫に溺れて。
俺が守る
千影side


霜月さんの様子がおかしい。

まさか、会長に何かされたとか?

よし、霜月さんをつけてみよう。

なんか申し訳ないけど、何も言ってくれないし、そうするしかない。

何かあってからじゃ遅いからな。




霜月さんは放課後、生徒会室に行った。

なんだ生徒会の仕事なのか。

でも、他の部員がいない。

どういうことなんだろう。

「さあ、理紗。見せてよ」

「いやっ」

「抵抗して痛い目に遭うのは君だからね?」

「…はい」

何をしてるんだ?

「…んぁ、ふっ、ん……」

まさかっ!

ドンッ!!!

俺は勢いよく、扉を開けると霜月さんの上に乗っている会長を殴った。

「てめぇ!!」

「おや、君は空気を読めないんですか?
今、いいところでしたよ?」

「霜月さん、嫌がってるだろうが!!」

「どこがです?彼女は僕に惚れてるんです。君みたいな出来損ない吸血鬼にとやかく言われる筋合いはありません」

なんだこいつ。

侮辱しやがって!

「霜月さん、行くよ」

俺は霜月さんの腕を引っ張って、生徒会室を出た。
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