冷酷姫に溺れて。
ひとけの無いところに連れていくと、自分のパーカーを被せた。
「それでも着なよ」
「……ありがとう」
霜月さんの目には涙が浮かんでいた。
相当怖かったんだろう。
「なんで言ってくれなかったの?あのままじゃ霜月さん…」
「ごめん。先輩が怖くて言えなかった」
「これから、毎日一緒に行動する。
いいね?」
「……でも、入井くんが何かされるかもしれないよ?」
「大丈夫。自分の身は自分で守るから」
「うん…」
「霜月さんは俺が守る」
「入井くんっ、ありがとう」
霜月さんは飛び付いてきて、大泣きした。
決めたからには霜月さんを全力で守ってみせる。