冷酷姫に溺れて。
にしても、急に飛び付いてくるのは反則だよな。

「昨日も今日もごめん…」

「いいよ」

外はすっかり暗くなっていた。

「今日も泊まってきなよ」

「え?」

「霜月さん、また帰れないじゃん」

「そうだけど…。二日連続は悪いよ…」

「いいって。あ、でも今日は妹いるけどいい?」

「…うん、ありがとう」

霜月さんは申し訳なさそうだった。



「ただいま」

「おかえり……」

咲奈は霜月さんを二度見した。

「…お兄ちゃんが女の子連れてきた。彼女?」

「違う!そーゆーのじゃないの!」

「へぇ?」

こいつ、面白がって!

「私、霜月理紗と言います。二日連続でごめんなさい。よろしくね」

「二日連続!?……お兄ちゃん手、出したの?」

「出してねぇよ!」

「私、入井咲奈です!こんな兄の相手をしていただきありがとうございます。どうか、見捨てないでください」

マジでこいつ何なんだよ。

霜月さんはクスクス笑っている。

「仲がいいんだね」

可愛い……。

「理紗ちゃん、めっちゃ可愛い!」

なんでお前が言うんだよ。

「可愛いかな?
私は咲奈ちゃんの方が可愛いと思うよ」

「私、理紗ちゃん大好き!!」

はぁ!?
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