冷酷姫に溺れて。
「お兄ちゃん!紅茶淹れて」

「へいへい」

しかも、パシられるし。

二人のところへ持っていこうとすると、霜月さんが俺のことを話していて、リビングな入れなかった。

「お兄ちゃんのこと、どう思ってるの?」

「んー。優しくて輝いてる人、かな」

「あれのどこが輝いてると思うの?」

「純粋でまっすぐで一生懸命で誰からも好かれて。
私もそんな風になりたかった」

そう思われてたんだ。

嬉しいな。

「そうだ。理紗ちゃんに着て欲しい服があるんだけどいい?」

「え?なになに?」

「行こっ!」

やばい、こっちに来る!

俺は急いでダイニングに戻った。

ふう、バレてないな。

リビングへ行くとなぜか咲奈がいた。

「お兄ちゃん、さっきの聞いたでしょ?」

まさか……。

「私、優しい子だからヘタレお兄ちゃんを喜ばせようと思ってやったんだよ?感謝してね」

「お前なぁ……」

「咲奈ちゃーん。どこ?」

「あ、理紗ちゃんに呼ばれてるから行くね」

あの野郎、逃げやがって。

まあ、嬉しかったし許してやるか。
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