冷酷姫に溺れて。

二人がどこかに行ってから、俺はリビングでテレビを見ていた。

「お兄ちゃん!ちょっとゲストルーム来て」

咲奈に呼ばれて行ってみると、服を渡された。

「今すぐこれ着て書斎に行って。分かった?」

「うん?」

タキシードだった。

なんでこんなの着るんだ?



着て咲奈の指示通り、書斎に行った。

すると、書斎に階段にドレスアップした霜月さんがいた。

嘘だろ……。

この可愛さはやべぇ。

咲奈の好きなゴスロリってやつのドレスっぽかった。

青を基調としたドレスで、ふんわりとした作りの袖は霜月さんの可憐さを。

散りばめられたスパンコールはエレガントさを。

そして、ぱっくり背中が開いているデザインは色気を。

このドレスは霜月さんにぴったりの最高の代物だ。

「霜月さん!すっごく似合ってる!!」

霜月さんは真っ赤な顔して、俺を見た。

「入井くんもすっごくカッコいい…」

お互いに目を見合わせていると、咲奈が入ってきた。

「さ、写真撮るよ」

「は?何言ってんだ、お前」

「記念だよ、記念!」

「入井くん、一緒に撮ろうよ」

霜月さんに言われたら仕方ない。

「はい、チーズ!」

< 65 / 132 >

この作品をシェア

pagetop