冷酷姫に溺れて。
二人がどこかに行ってから、俺はリビングでテレビを見ていた。
「お兄ちゃん!ちょっとゲストルーム来て」
咲奈に呼ばれて行ってみると、服を渡された。
「今すぐこれ着て書斎に行って。分かった?」
「うん?」
タキシードだった。
なんでこんなの着るんだ?
着て咲奈の指示通り、書斎に行った。
すると、書斎に階段にドレスアップした霜月さんがいた。
嘘だろ……。
この可愛さはやべぇ。
咲奈の好きなゴスロリってやつのドレスっぽかった。
青を基調としたドレスで、ふんわりとした作りの袖は霜月さんの可憐さを。
散りばめられたスパンコールはエレガントさを。
そして、ぱっくり背中が開いているデザインは色気を。
このドレスは霜月さんにぴったりの最高の代物だ。
「霜月さん!すっごく似合ってる!!」
霜月さんは真っ赤な顔して、俺を見た。
「入井くんもすっごくカッコいい…」
お互いに目を見合わせていると、咲奈が入ってきた。
「さ、写真撮るよ」
「は?何言ってんだ、お前」
「記念だよ、記念!」
「入井くん、一緒に撮ろうよ」
霜月さんに言われたら仕方ない。
「はい、チーズ!」