冷酷姫に溺れて。
「入井くん…」
霜月さんはうつむいてから、真っ直ぐな目で見てきた。
「私のこと守るって言ってくれてありがとう」
深々とお辞儀してきた。
「いいって。俺が決めたことだし」
「でも、私が変な人と付き合っちゃったからこんなことになったんだもん」
「気にしないで。霜月さんは何も考えなくていいから」
霜月さんはなかなか引き下がらない。
それほど気にしてるのか。
「お願い。
私に出来ることは協力させて!」
「……そうだな、俺から離れないでね。
約束だよ」
「うん、約束する」
俺たちは小指を絡ませた。
「さ、寝よ」
「うん」
霜月さんはすごく不安そうな顔しかしない。
俺じゃあ不安なのか?
守れないのか?
そう思われていたとしても、約束は約束だ。
俺が必ず霜月さんを守ってみせる。