冷酷姫に溺れて。

それから、会長は霜月さんに近づかなくなった。

何かがおかしい。

上手く進みすぎている。

「ねえ、千影。聞いて欲しいことがあるの」

真優から話を聞いたあと、俺は霜月さんのところに行った。

「霜月さん!話があるんだけど」

「うん」



さすがに学校で話すのはリスクが大きいため、俺の家に来てもらった。

「会長のことなんだけど、話しても大丈夫?」

「…うん」

複雑そうな顔をした。

まだ整理出来てないのか。

「会長と副会長は一年生のときから付き合ってるてのは本当らしい」

「やっぱりそうなんだ…」

「でも、会長は副会長と付き合ってるのに一年に一人ずつ、計三人の女子と付き合った」

霜月さんはえっ、と声を漏らした。

「一人目は今の三年生の人、二人目は二年生の人、そして三人目は霜月さん」

「私の前の二人はどうなったの?」

「一人目の人は副会長と喧嘩になって、退学。二人目の人は会長に依存して引きこもりになってる」

霜月さんは涙目になって震えた。
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