冷酷姫に溺れて。
「じゃあ、私もそうなるように仕向けられるの？」

「分からないけど、二人とは違う風にするつもりだったんじゃないのかな？」

霜月さんはついに泣き出してしまった。

「…怖い」

俺だって会長がこんな人間だと分かって怖いと思ってる。

「霜月さん、大丈夫だから」

「…大丈夫なはずがない。あの人は完璧で私たちのさらに上にいくんだもん。きっと、今でも何か企んでるに違いないわ」

それは言えている。

今、何もしてこないってことはこの後何か仕掛けて来るに決まってる。

会長はそういう人だ。

だから、油断は出来ない。

「霜月さんを守ろうとしてるのは俺だけじゃないよ。光も真優も霜月さんのことを守ろうと協力してくれてるんだ」

「蓮常寺くんと吾田さんが？」

「うん」

「……入井くんのお陰だよね。本当にありがとう」

どうしたら霜月さんを安心させることが出来るのか分からない。

今はこうやって向き合うことが大事だと思う。
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