冷酷姫に溺れて。


「今日はありがとう」

「全然いいよ」

「またね」

「また明日」



まさか、あんなことになるなんて思ってなかった。





いつものように今日も駅に行った。

でも、霜月さんの姿がなかった。

霜月さんと待ち合わせてるはずなのに。

電話をかけてみるも、着信拒否になってしまった。

もしかして、何かあったのか?

俺は急いで学校に行った。

「おはよ、千影!霜月さんは?」

「それが見当たらないんだ」

「え!?」

同じクラスの光が先生に聞いてくれた。

「今日は休みみたいだ」

真優は真っ青な顔で言ってきた。

「会長も休みらしいよ」

俺たちは顔を見合わせた。

「やばくね?」

「ああ」

霜月さんに何かあるかも知れないと思うといてもたってもいられなくなった。

「俺、早退する!」

「はあ?ねぇ、千影!!」




家に帰って、夜勤明けの父さんを起こした。

「父さん!父さん!!」

「何だよ……」

「同級生が…霜月さんが危ないんだ!」

「……は?」

「だから、生徒会長の家に連れてってくれよ!」

「そんな気力ねぇよ」

「母さんの血があればいいだろ!?呼び出すから連れてけよ!」

「…あーうん」
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