冷酷姫に溺れて。
「…ココア、冷めちゃったね」
「うん」
霜月さんが少し赤くなっていてレアだな、と思いながら冷めたココアを飲んだ。
「これで入井くんに血をあげられるね」
「そうだな」
「……役に立つことが出来てよかった」
霜月さんは着崩した服を直していた。
告白したい。
俺の中でそう思う気持ちが出てきた。
振られるのは承知だけど、告白しないといけない気がする。
なんか、今しかないって思う。
「霜月さんのことが好きです」
霜月さんは目を見開いて、困った顔をした。
「俺、霜月さんに一目惚れして、ずっと大好きだった。関わっていくうちにさらに大好きになった」
「私は……」
「返事はいいよ。これからも友達としてよろしくね」
「…あ、うん」
霜月さんは何か言おうとした。
でも、俺には聞く勇気がなかった。
何を言いかけたのか気になるけど、聞けない。
どうせ振られるだろうから。